2010年04月08日
廃道復活への道「不来坂」

【不来坂の峠にて】
町村合併で西伊豆町になるまでは宇久須と安良里は6年前まで賀茂村でした。
道路が開通するまでは、その賀茂村でもお互いに行き来するためには山越えをしなければなりませんでした。
宇久須と安良里とを最短距離で結ぶ峠。
『不来坂(こじがさか)』
国道ができてからは誰も通る人もいなくなり記憶から忘れ去られている峠道。
いつか、全部歩きぬけようと思っていました。
そして昨日、とうとう決行。
カネジョウさんと歩いてきました。

宇久須側から登り始めると対岸に何やら掘られています。
防空壕にしては人里から離れ過ぎている…
鉱山を掘った跡なのでしょうか?

道は下草に覆われて不明瞭になっています。
時々、ルートファインディングが必要です。
このままでは間違いなく道迷いすること必至…
今のところは場所は公開できない状態です。
そして、いきなり目の前に現れた洞窟。
下には水が溜まっています。

その昔、不来坂には二本松があって、それは目立ったという話を聞いていました。
その二本松は、なんと終戦の日に倒れたという不思議な話もあって、かなり興味を魅かれた峠でもありました。
その松の倒木も発見。
半分腐りかけてはいますが、しっかりと二本ありました。
噂は事実だった事が判明いたしました。

もう一本の松の残骸です。
かなりの太さがあり、相当年数が経っていた立派な松の木だったのでしょう。
往年が偲ばれます。

峠までは杉の植林が続いていました。
超えると安良里側。
こちらは広葉樹林帯の明るい斜面が続いていました。
こちらも道は荒れていて、どこが本道であるのかを確認しながら下ります。
露岩が多く、浮き石だらけの道はかなり危険。
しばらく下ると石垣が現れました。
戦時中はこの辺りも畑を作っていたのでしょう。
先人の苦労が伝わってくる、そんな場所です。

開けた沢筋になると一気に視界が広がります。
安良里の港が一望できます。
下界の音も風に乗って良く聞こえだします。
ここまで下ればもう、僅かの距離。
ツワブキが群生する河原を歩くと集落の外れに。
今回は、車を入山口にデポしておいたので、960mのトンネルをひたすら歩くことに…
トラックの排ガスが溜まるトンネルの出口は遠い…
ですが、旧道を登った感激を味わいながらなので大丈夫(笑)
Posted by 鈴木達志 at 21:00│Comments(0)
│不来坂、廃道復活
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